
ポスティングとは、チラシやパンフレットなどの広告物を一戸一戸のポストへ直接配布する広告手法です。現在では地域密着型の宣伝手段として広く利用されていますが、その歴史は意外と古く、時代とともに形を変えて発展してきました。
第二次世界大戦後、日本では新聞購読率が急速に高まり、広告手段の主流は「新聞の折込チラシ」でした。このころはポスティングという言葉も一般的ではなく、企業や商店は新聞に折り込む形で地域住民に情報を届けていました。
1980年代後半になると、新聞を取らない家庭が少しずつ増え始め、折込広告では届かない層が出てきました。
このころから、広告を直接ポストへ配布する「ポスティング」が登場。個人商店や不動産会社を中心に活用が広がりました。
特に不動産業界では「新築物件の情報を確実に届けたい」というニーズが強く、ポスティングが効果的な販促手段として注目されました。
2000年代に入ると、ポスティングを専門に行うポスティング会社が急増。
GPS管理や配布計画のデータ化などが進み、配布品質の向上と信頼性の確保が図られるようになりました。
また、企業の宣伝だけでなく、行政の広報や求人チラシ、イベント告知などにも活用の幅が広がりました。
SNSやインターネット広告の普及により「紙広告離れ」が進む一方で、地域密着・高反応の媒体としてポスティングは再評価されています。
デジタル広告では届きにくい高齢層や地元密着の顧客に対して、ポスティングは今もなお確実な宣伝手段として活躍しています。
近年では、AIやデータ分析を用いて「配布エリアの選定」や「反応率の予測」を行うなど、ポスティングはますます進化中。
在宅ワーク型の配布スタッフも増え、柔軟な働き方として副業・アルバイト求人の人気も高まっています。
ポスティングは、単なるチラシ配布ではなく、時代とともに進化してきた地域広告の原点です。
新聞折込から始まり、デジタル時代を経て、今ではデータと人の力を融合させた次世代型のマーケティング手法として注目されています。